「月ノツカイ/父と暮せば」終幕

MAM祭りの前半戦、「月ノツカイ/父と暮せば」が無事終幕致しました。

おかげさまで連日多くのお客様にお運び頂きました。
誠にありがとうございました。
「月ノツカイ」は新しくキャスティングしたメンバーが20〜21歳とかなり若手。
おかげで稽古だか部活だかわからない毎日でした。笑
みんな、よく知らない演出家にもかかわらず、信じて果敢に挑んでくれました。
本当にありがとう。
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演出しながら歩き回るクセ。笑
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おかげで忘れられない舞台になりました。
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大好きだったラストシーン。
「現実は辛くても、演劇なら小さな奇跡を起こすことができる」そんなシーンが作りたくて書きました。
もっとも演じる方はタイミングを合わせるのに必死で、感傷に浸る暇なんかなかったと思うけど。笑
 
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「父と暮せば」では東京組/札幌組ともに、なんと6、7回しか稽古していないでのぞんだ再演…驚愕!
にもかからず、役者陣はおそろしい完成度を見せてくれました。
きっと1年という時間の中で、役者の身体の中で何かが静かに熟成されて行くのでしょう。
前回見えなかった「感情のひだ」みたいなものや、言葉の意味がまた少しつかめてきました。
「井上ひさし」の言葉に近づきたいと毎回戦う舞台です。
「なぜ演劇をやるのか」この作品はその意味を教えてくれます。
素敵な四人の俳優陣に心から感謝。
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こうして前半戦は終了。
お客様に、本当に感謝。
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さて、打ち上げの翌日からは後半戦「髪結橋のロビン・グッドフェロー」の稽古です。
こちらもお忘れなく!

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僕のお師匠様の話

師匠が亡くなった。

 
青井陽治。
翻訳家であり、演出家である。
かつてはダンサーであり、劇団四季の役者でもあった。
 
彼の仕事に初めて触れたのは、「ベント」という芝居の札幌公演。当時21歳だと思う。
あまりの衝撃にすぐさま脚本を買い、巻末の訳者の文章を何度も読み返した。
いつかはこの人の仕事をしてみたいと思っていたら、その後上京して俳優座に入った時に青井さん演出の舞台を座内オーディションで募集するという。
色めき立った。
そして「ソフィストリー」で初めて演出を受ける。
同時にそれは僕の東京での正式なデビュー舞台となった。
 
それ以降、青井さんの作品には計7本、朗読劇も含めると8本の作品に出させて頂いた。
 
僕の演劇的な考え方や演技術(そんな偉そうに考えてないけど)は、ほぼ彼の教えによるものだ。
また僕が演出する時の手法や、大事にしているポイントも彼のやり方を踏襲している。
まさにデビューから芝居の「いろは」は青井さんに教わった。
なので、勝手に「師匠」と思っていた。
 
セリフのひとつひとつを全て解説し、読み方・話し方を丁寧に教えてくれたこともある。
夜中に1ロール使い切るくらいのダメ出しがFAXされたこともある。
いきなりゲネプロ(最終リハーサル)を止められたこともある。
「ます、君の芝居にみんなが迷惑してるよ、何とかして」
ひえぇ・・・である。
どこまでも優しく、どこまでも厳しい方だった。
そしてどこまでも演劇を愛している方だった。
どんな芝居をやっていても、青井さんが観に来ると知ったら背筋が伸びた。
そして、彼の言葉で僕が一番印象的だったのは、
「演劇の神様を裏切らない」。
 
「演劇の神様を裏切らなければ、誰を裏切ってもいいんだよ」と平然とおっしゃる人だった。
どこまでも芸術至上主義で、友人は多くいたけど、たぶん究極的には孤独な人だったと思う。
そして、芸術ってそういうものだということを知っている人だった。
もちろん、そんな潔さは僕にはない。
でも、稚拙なりに「演劇の神様を裏切らない」仕事だけは続けようと心に決めている。
きっとこれからも、彼ならこれを観てどう言うだろうと思いながら仕事をするんだと思う。
僕の中で、青井さんの眼は永遠だ。
 
青井さん、お疲れ様でした。
ごゆっくりお休みください、と言いたいところだけど、
きっと向こうで、もう先輩方と芝居の稽古を始めているでしょう。
楽しそうな青井さんの顔しか浮かばない。
 
また、芝居しましょうね。
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「しあわせのタネ」種まき終了

舞台「しあわせのタネ」2017が終幕致しました。



舞台としては再々演。僕は今回からの演出参加です。


農業とミュージカルという一風変わった組み合わせ、お客様にもおおむね好評だったようです。


脚本の坂口理子さん。


音楽の鈴木あいさん。


振付のma-yaさん、yu-taくん。


そして出演者の皆さん、スタッフの皆さん。


それぞれのスキルと思いがギュッと詰まった舞台になりました。


演出として参加させて頂き、とても光栄。
















挿入歌の歌詞の中にある言葉で僕がとても印象的だった言葉。


「私たちは知らなくてはいけない」


今の時代、様々なものが僕らの知らないうちに決まって行ってしまいます。


「そんなの知らなかったよ」は、後から言ってももう遅い。


そんな「知る」ことの大切さを教えてくれた物語でした。




僕が「入れたい!」言ってお願いをした赤ちゃんリレーのシーンは毎回見てて泣きそうになりました。


みんな本当にいい顔していた!


あ、ちなみに赤ちゃん、マスザワ作(頭)です。


かわいいっしょ?笑




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いつも舞台を見に来て下さっているお客様に「泣いた。よかったー」と言って頂けたのが本当に嬉しかったです。


ご覧頂いたお客様、本当にありがとうございました!




さて、2017年に 千葉・埼玉・東京でまいた「しあわせのタネ」はどんな成長をするのか・・・


また違う街で「公演」という実を結ぶといいなあ・・・




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WS2017 in 札幌

非常に駆け足日程でしたが、札幌にて秋の公演のためのWSオーディションを開催してまいりました。

最初は「集まるかなー…」と、相変わらずの心配性に頭がぱんぱんになっていましたが、30人以上の方が出席。
本当に楽しい時間を過ごさせて頂きました!
参加者の皆さん、本当にありがとうございます。
 
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人数が増えると嬉しいけど、一人一人にかける時間が…痛し痒しです。
なるべく「みなさん全員にかかる言葉」に気をつけて進めましたけど、楽しんで頂けたかなあ・・・先に自分が楽しくなっちゃうからなあ・・・
 
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「月ノツカイ」「髪結橋のロビン・グッドフェロー」
両公演のオーデションも兼ねて、27日には歌のテストがありました。
見ていて、あまりの個性豊かさに、本来の脚本に人を収めることは早々にやめました。(笑)
人に合わせて脚本を考えます!
そんなことがたまらなく面白く、やっぱり人と関わることの喜びを与えてくれたWSでした。
さて、この札幌で行うミュージカル「髪結橋のロビン・グッドフェロー」ですが、
札幌と東京の混合キャストの上演を目指しています。
「札幌で、舞台公演してみたい!」そんな人、いませんか?
(旅費/滞在費はMAMが責任を持ちます!)
7月に東京オーディションを行います!
近日詳細発表。
詳細ご連絡をご希望の方はmamstage@gmail.com まで!

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「髪結橋」のオハナシ

「髪結橋のロビン・グッドフェロー」

尊敬する井上ひさし氏が「タイトルが決まれば芝居の良し悪しの7割が決まる」と言っていたような・・・
そんな意味で、このタイトルは僕の考えた戯曲の中でも秀逸のタイトルだったと思う。
そう思ってから書き上げるまでがすごく苦労したホンだけど。(笑)
東京に来てから、東京のルーツのある地名が大好きでした。
「人形町」「馬喰町」「神楽坂」・・・
そんな名前をつけたホンを書きたいと思って、地図を漁っていました。
そしてみつけたのが「髪結橋」。
江戸時代、髪結床が並んでいたのかな。
そんな光景を想像しながら、物語を作った。
 
昔、劇団を札幌でやっていた時代にパンフレットに「小高いところから見る風景が好きだ、その明滅する光一つ一つにドラマがあるように思えるから」と書いた覚えがある。
窓の明かりの分だけ、ドラマがある。
そんな話を作りたかった。
僕らはみんな毎日必死で、何かと戦って、何かから逃げて「ここではないどこか」を目指して生きている。
はたして、そんなところにたどり着くのか、それはわからないけど、でも時間とともに何かは変わり、何かは損なわれて、そして何かは救われていく。
そんな喜びや悲しみや願いを、歌に乗せて語れたら。
なんの変哲もない毎日が、あざやかな色を帯びて見えるかもしれない。
何でもないことが素敵に見えるかもしれない。
 
「真夏の夜の夢」のファンタジーの衣を借りて、愛すべき、たくさんの物語が語られます。
そんな物語の一つを、自分のものにしてみませんか?
お申し込みが集まってまいりました。
ご参加、もっともっとお待ちしてます!
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※前回公演より

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「月ノツカイ」っていうのはさ・・・

今秋、MAMは」3連続公演を企画しておりますが、その中から「月ノツカイ」のお話をしたいと思います。

東京に出てきてから、ずっと役者の修行に集中し、劇作は行ってきませんでしたが、本当に久しぶりに「書こうか」と思い立って書いた作品です。
 
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自分のルーツに関係した作品をと思って、北海道のお話、それも僕が中学生の時にニュースで大きな話題となった夕張の大きな炭鉱事故の話を下敷きにしました。
「増澤ノゾム」なんてどこの誰?って最初は出演者たちは戸惑ったと思います。笑
それでもワークショップから稽古と、みんな本当に楽しんでくれた(と思う)。
濃密で、とても充実した時間でした。
 
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僕が劇作する上で大きなテーマが一つあります。
「人は人と繋がろうとする本能がある」
どんなに人を拒絶しているように見えても、人はどこで人と繋がることを求めていて、それゆえにもがいたり苦しんだり求めたりしながら、時には繋がったり、時にはすれ違ったりしながら日々を重ねて行く…
そんな話を札幌の役者さんとともに作りたい、その第一作が「月ノツカイ」でした。
配役はダブルキャスト。
2015年の春、シアターZOOで追加公演も含めたすべてのステージがほぼ完売。
おかげさまでMAMとしては心に残るスタートが切れた作品でした。
 
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今回再演にあたって、もう一度出演者を募集したのは、「より多くの役者さんと、より多くの舞台を」というMAMのテーマがあるからです。
中には再度出て頂く方もいるかもしれません。
でもとにかくリセットして、作品を見つめ直して、新たなメンバーでこの作品にのぞんでみたいのです。
そんなわけでの出演者大募集。TGR参加作品です。大賞狙います!(よくわかってないけど。笑)
さあ、皆様のご参加、お待ちしています!
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オーデション情報・詳細はこちら!
 

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「しあわせのタネ」を求めて

演出するミュージカル「しあわせのタネ」の取材で、千葉県市原市へ行ってまいりました。

房総半島のちょうど真ん中、とても素敵なところです。
今回の物語、「在来種」と言われる、その土地固有の農作物が出てきます。
市原市での公演のために、その土地の固有作物、食べ物を探しに行ったわけです。
 
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山の中にひっそりと佇む、トトロがいっぱい住んでるようなところでした。
小湊鉄道がまた味わい深い。たまらんたまらん。
 
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伺った時はちょうど「市原アート×ミックス」というアートイベントの真っ最中。
集落全体がアートの発信基地になるという素敵な企画です。
 
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廃校になった小学校では、「里山食堂」という食堂も開設。地元のお野菜で頂くカレー、美味しゅうございました。
・・・ん?(右上に注目)
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もぐら?
期間中、「この小屋でもぐらとして生活する」アートなんだって。
現代アート、やったもん勝ち的な。笑
 
素敵だったのは、地元の農家の方と話をしていて、おばあちゃんが「ああ、今あーとみっくすやってっから。あとで顔出すわ」なんて、さらっと話される感じ。
地元にしっかりアートが根付いている感じで、とても豊かなものを感じました。
そしてとっても素敵な公民館を発見!
ああ、こんなところで舞台やりたいなあ。
 
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小湊鉄道で移動して公民館でお芝居を観せる、全部セットの公演なんて素敵だよねえ!なんて盛り上がりました。
もちろん本来の目的も収穫ありでした。
これ、なーんだ。笑
 
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これは「とうぞ」と言います。おそらく漢字では「豆汁」ではないかと思います。
味噌を作る時に大豆を煮た汁を捨てずに、とろみが出るまで煮詰めたもので、塩で味付けして、ご飯にかけてよし、スープのようにしてお湯で割って具を入れて飲んでよし。
なんと昔はリンスのように髪に擦り込むとサラサラになったそうです。
スゴすぎるやんけ!
そして美味しかったぞ!
日本全国で味噌を作るのに、「とうぞ」にして飲んでいるのは市原だけ。
不思議だね、他の地域にはないのかしら。
ぜひ市原で、「とうぞ」をどうぞ。
・・・ちゃんちゃん。
素敵な取材旅でした!
舞台「しあわせのタネ」

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N43V その4

さて、増澤的に実り多かった(笑)今回のワーニャですが・・・

最後に演出&主演のことに触れておこうと思います。
 
斎藤歩氏。
北海道の演劇界を牽引する存在です。
ていうと嫌がるだろうけど。笑
この人はもともと、僕が20代に札幌で芝居をしていた時に活躍していた劇団の座長さんでした。
その頃は全く接点はなかったけど、一昨年「PROOF」で札幌に帰った時に立ち話したところから今回の話に発展しました。
そういうのって、ちょっと面白いです。
話したことは「職業俳優について」
 
お仕事で俳優業をすること。
当然「やりたい仕事」と「やらなくてはいけない仕事」には乖離が生じます。
もちろん、「やらなくてはならない仕事」の中に「やりたい仕事」を盛り込むモチベーションを保つ方法は心得ています。
でもやっぱり、「やらなくてはいけない仕事」を繰り返すというのは心が痩せるのです。
(これは僕がモノ造り的な作業を好むからだと思うけど)
 
「やりたい舞台をやりましょう」
「俺、ワーニャやりたかったんだよね」
 
そんな言葉で始まったように思います。
そしてそんな思いが溢れるワーニャだった。
この人は脚本から演出から主演から、音楽までこなす多才人。
僕がMAMやる時もかなり何でも屋だけど、ずっと上を行っていると思います。
でも何より舞台の上で役者として彼と交流しているのが僕は楽しくて幸せでした。
エネルギーがほとばしるような人です。
板の上で、交わしたり探ったり壊したりって、すごく楽しい作業でした。
 
でも、かなりの自由人です。
本番中平気で素ネタをぶっこみます。
「千秋楽なんだからさ、もっとちゃんと登場しろよ」とか平気で言います。
迷惑です。
あ、それから稽古中にラブシーンの女役を情感たっぷりに実演するのも迷惑です。
上手いから。目が潤んでいるから。それで迫ってくるから結構怖いから。
 
そんな子供のようなおっさんの斎藤氏はこれからも札幌の第一人者として活躍するでしょう。
それを祈りつつ、彼を脅かす地元の逸材の登場も期待しつつ、再度の共演も何より期待します。
 
一番の感謝は、僕が足を折っても降板させるという選択肢が彼になかったこと。
「アーストロフが松葉杖でも面白いよなあ」
っていう言葉が、実はどんなに救いになっていたか。
 
あ、でもね。
観に来てくれた看護師さんに「アナタが増澤くんに座薬さした人?」って大声で聞くの、やめてもらっていい?
 
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N43V その3

さて、そしていよいよ「ワーニャ」です。

これがねえ・・・楽しかった!
僕はもともとチェーホフ好きだけど、今回やってみて自分でも演出したり、もっと他も演じたりしてみたくなった。
この「もっとやりたいセンサー」は面白い作品に関わると発動する。
「桜の園」とかやりたいなあ・・・
思えば俳優座に入って、研究生で初めて演じたのが「かもめ」のトリゴーリンだった。
岸田國士とチェーホフは僕にかなり大きな影響が与えたと思う。
今回の上演は約1時間半、言わば「ちょっと駆け足版ワーニャ」と言ってもいいかもしれない。
でもチェーホフのエッセンスはちゃんと香っているし、「ワーニャ」のストーリーは削られることなくきちんと込められている。
初めてチェーホフを観る人にはとても観やすかったと思う。
演じる方もかなりシンプルに入って行けた。
程よく現代的な表現に潤色しているところも大きいと思う。これはやっぱり斎藤歩氏のセンスだなあと思う。
 
人間て、バカだなあ。
でも一生懸命だもんなあ。
愚かなくらい必死で、笑えるくらい切ない。
そんな「ワーニャおじさん的」世界を僕自身も堪能した公演でした。
あの100席に満たない空間には、そんないくつかの人生が詰まっていたと思います。
僕の最後の「帰りたくないなあ」という言葉はそんな時間と場所に対する愛おしさでもありました。
 
やっぱり、演劇っておもしろいね。(笑)
 
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ご感想など、お待ちしています。

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N43V その2

さて、医者役でありながら骨折するという大金星を挙げたマスザワでありますが(苦笑)、この骨折という出来事がなかなか勉強になりました。

まず人間の身体の不思議。
たとえ数日でも、全く動かない状況に固めていると筋肉というのは間違いなく萎えるんですね。
びっくりした。
僕は割と早い時期から無理やり動いたけれど、それでも爪先立ちとかできなくなっていた時には驚いた。
あ、それからものすごい勢いで右足(折れた方)の皮がむけました。
新陳代謝を上げているんですかね・・・毎日傷の周りの皮がベロベロとむけました。
「再生しよう」という意志が宿っているみたいに感じて。(あくまで個人的な感想ね)
身体って面白い。
リハビリの先生と話す、身体のメカニックの話がとても興味深かった。
足の裏が実はものすごく情報収集の器官になっているとかね。
そして世の中は松葉杖に結構厳しいということ。
 
駅のエレベーターひとつでも、ものっすごく迂回路になるということも知りました。
あの距離を松葉杖で移動するのってめちゃくちゃ大変ですねえ。
ちょっとした段差がとっても大変だし、段差を避けるとものすごく長い移動になるし・・・
車椅子の方やハンディを持った方々が普段どれだけ面倒を強いられているか痛感しました。バリアフリーは増えているけど、距離とかはあまり考えられていないんだね。
あ、それからね・・・これもびっくりでしたが、電車で一度も席を譲ってもらえませんでした。
 
一度もです。
 
頑張れば優先席まで移動できます。
多少離れても空いている席があれば「大丈夫かな」と思うでしょ?
僕は正直思っていました。
でもね、揺れてそこそこ混んでる車内で移動するのって、
 
ものっすごく大変。
 
もちろん「まけるもんか」という意志があれば何とかなるんですが。
「甘えるもんか」という気持ちがなければ怪我なんか乗り越えられないんですが。
それにしてもこの不寛容さにはちょっと驚いた。
一人一人がどうということではないんです、きっと。
でも、大きく社会という括りでは世の中ってすごく不寛容なんだなと、松葉杖ニストになって改めて感じました。
だからこそ、一人一人が寛容さを意識して生きて行かなくてはならないということも。
ちょっとした時にドアを開けてくれたりとか、スーバーで店員さんがカゴを持ってくれたりとかした時に、涙が出るほど嬉しかったもんね。
大げさだけど。(苦笑)
 
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写真は退院後すぐにやったトークショー。(とても楽しかった)
骨折を隠して歩いて登壇したのに、鈴井貴之氏が開口一番「この男、骨折してましてねえ〜!」
・・・水の泡である。
「だってこんなネタ、黙っているわけないだろー!」
これが鈴井さんの鈴井さん的なところなんだけどさ。
 

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