満月が雲に隠れた深夜、ヤツが来た

昨夜、ちょっと不思議な体験をした。

何となく体感が生々しいうちに文章化しようと思う。

僕は道を歩いていた。

夢の話である。

もちろんその時は夢だとは気付かない。

内容は忘れた。きっと大した内容ではなかったんだろう。

とにかく、道を歩いていた。

突然めまいがして、目の前が真っ暗になった。

そして身体から力が抜けた、というより猛烈なだるさが襲って来た。

まるで引力がいきなり１０倍くらいになったみたいに。

次の瞬間、何かに引っ張られた。

どこかを掴まれたとかじゃない。

全身を包んでいる引力が、そのまま僕をどこかへ強く連れ去ろうとした。

夢の続きのようだが、違う。

その時点で、僕はこれが夢だとはっきり認識していた。

何故夢だとわかったのか。

その力が、「夢とは違うところからやってきたもの」だと確信できたからだ。

それは、明らかに異質で、圧倒的で、得体の知れないものだった。

僕はとっさに「この夢から覚めなくてはいけない」と思った。

一刻も早く。

抵抗をやめると、きっと一瞬で連れて行かれる。

動かない手足を無理やり動かし、出ない声を振り絞った。

次の瞬間、僕はベッドの上で跳ね起きた。

時計は深夜３時。

しばらく肩で息をして、何が起きたのか整理するのに時間がかかった。

上手く説明はできない。

やっぱりおかしな夢なのかもしれない。

でも、重たい恐怖感とともに、まだ一つの確信が残っている。

あれは、絶対に「捕らわれてはいけないもの」だった。

一体なんだったのだろう？　

満月が関わっているかどうかは分からない。

でも不思議な体験だった。

どういう事なのだろう。

iPhone６を買えという事だろうか……

うーむうーむ……

深夜は雲に隠れたけど、宵の口はすごくきれいな月だった。

電灯のようだが、真ん中がスーパームーーーーン。