リアリティってさ
明日までイメージフォーラムにて単館上映している記録映画。
ピーター・ブルックの「世界一受けたいお稽古」。
演劇関係者には著書「何もない空間」でもよく知られている演出家でございます。
まあ、要するに業界的には神様的存在のお方ですね。
そりゃ受けたいぜ、神のお稽古!って感じで観に行ったわけですが、なかなか興味深かった。
もともとがイギリス出身の超アカデミックな人なので、少々アタマでっかちなところはあるものの、演技の本質を追求して行く様は、感動的でした。
原題は「The Tightrope」、綱渡りのことです。
稽古場に一本の綱を仮に設定して、架空の綱渡りをして行く役者たち。
イメージの抱き方から、身体全体にかかる力、細かく細かく「嘘」を指摘して行く演出家。
そこから、芝居のワンシーンを演じてみたり、音楽に合わせてみたり。
稽古場を包む集中する空気感。
たぶん、フィルムに映って無いものが、いっぱいあるんだろうな……
僕ら演者は「目に見えるもの」に意識が行きがちだけど、「心と身体の内側にあるもの」がどんなに大切かを教えてくれるお稽古でした。
「リアリティ」って感単に使っちゃう言葉だけど奥が深いね。
演劇関係者がいっぱい来ていたみたいだから、しばらくあちこちのワークショップで綱渡り大ブームになりそう。(笑)
理想はやっぱり高く清く持たなくちゃダメなのね、と思った。
との時々は、決して理想に遠く及ばないところに着地したとしても、
やっぱりものを表現する者にとって、理想論がちゃんとあるってことは大切なんだね。
「役者の仕事は観客の心の奥底に入り込み、足跡を残してくることなんだよ」
みたいな事を言っていたよ。
神様が言うと重みが違う。
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