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「海の上のピアニスト」のこと

さて、「海の上のピアニスト」。

本番は「PROOF」の1週間後!!
MAMの認知度を上げるためにも、ここは連続公演だ!と決めた舞台。
6年前に東京で初演しているので、骨格はできています。
事前にピアニスト奥田と東京にて打ち合わせ。
後は札幌で「PROOF」の稽古中にセリフの稽古だ!・・・・っていつ?
Wキャストで昼から夜遅くまで稽古してるのに?
稽古時間問題、浮上。
考えてみれば事実上、3本の芝居を同時進行だもんね。
 
・・・・考えようか。
連続公演だ、わーい!ってなる前に、そういうこと考えようか、おれ。
なあに、まだ午前と深夜があるさ。
稽古場に泊まり込んで稽古さ。
覚悟の上さ。
 
・・・・幽霊問題、浮上。
 
出ないでくれる?
夜中に廊下歩くの、やめてくれる?
肩重くなるの、やめてくれる?
それは覚悟してなかったから、さすがに。
盛り塩、盛り塩!  お経、お経!
そんなこんなで恐怖と戦いながらの稽古。
オバケは出るがセリフは出ない。
恐怖に負けるな、俺の記憶力!
 
そして「PROOF」が終わって、さあラストスパート!
本番数日前に奥田女史も到着。
疲れはピークに達してますが、そんなこと言ってらんない。
稽古場に上敷(ゴザ)を引いて、仮眠取りながらのサバイバル稽古。
左側にゴザが写り込んでます。(笑)
 
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そして劇場へ。
この時間のない中にもかかわらず、何とかリハまでこなすことができたのは迅速に協力してくれたスタッフのおかげです。
「PROOF」チームもみんなで手伝ってくれました。
みんな本当にありがとう。
そしてリハの後、1時間後には緊張する間もなく本番突入!!
 
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やってみてびっくりしたのは、この劇場はお客様の呼吸が手に取るようにわかる劇場だったこと。
大小にかかわらず、劇場の個性というのはお客様が入ってみないとわからないところがあります。
今回はお客様の息遣いがはっきりと感じることができる劇場でした。
お客様が集中している時、一息入れたい時、話がわかりづらい時、理解度が一気に上がった時・・・
そんな瞬間々々で、自分のテンポや話し方を変えながら演じるのは、お客様と対話しているようで本当に楽しかった。
慎重になってみたり、冒険してみたり、いい気持ちになってふわふわしたり・・・
演じ手としてライブの楽しさを味わった2ステージでした。
 
こんなワガママにお付き合い頂いたお客様に、本当に感謝申し上げます。
同級生も沢山来てくれました。ありがとう!
NOVECENTOは、きっとまた帰ってきます。
 
その時は、ぜひまた、お付き合い下さい。
それにしても、短期間で色々あったな・・・・(笑)
「何かいい話が心の隅にあって、それを語る相手がいる限り、そんなに悪い人生じゃない」

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「PROOF」のこと

更新にものすごい時間が経ってしまいました。

Facebookやらツイッターやらで細かく更新していると、なんか分散されてしまいますね。
さて、北海道に舞台を移してのMAM二連続公演が無事終了しました。
今までの演劇人生の中でも指折りの、ミラクルに時間のない連続公演。(笑)
無事終了できたのは、僕の無茶に付き合ってくれた役者スタッフの皆様のおかげ。
そして何より、舞台に足を運んでくださった皆様のおかげです。
本当に、本当にありがとうございました。
SNSではあまり長々とは書かないので、ここで少し長めに書こうと思います。
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「PROOF」では父親のロバートをやらせてもらいました。
普段僕は実年齢より若めの役をすることが多いので、今回は楽しむと同時に挑戦もありました。
本当に親子に見えるのか、そして狂気に囚われていく恐怖・・・
自分で深めていく課題はたくさんある中、それなりに突き詰めることができたのは、キャサリンを演じた田中、飛世両女優のポテンシャルが非常に高かったこともあります。
二人とも前回からのヒロイン引き続きになりますが、一緒に芝居をしていて安心して「演出」の枷を外して、自分の演技に没頭できる時間をもらえました。
ロバートの論文を読み終えた時のキャサリンの表情は未だに忘れることができません。
ハルを演じた二人はそれぞれ起用ポイントが違いました。
白鳥は大卒のキャリアを存分に出せる雰囲気を持っていたし、健太は若いのに人を受け止めることの大切さを本能的に知っていました。
二人とも、それぞれに自分のハードルを理解して挑戦をしてくれました。
ハルとキャサリンのラストシーンは何度見ても非常に印象深いものでした。
姉のクレアの二人は本当に好対照。
逢坂はNYのキャリアを感じさせる都会的な華やかさがあり、春奈はコミカルな中にも父や妹に対する複雑な思いを感じさせる魅力がありました。
この二人はこの役をどう演じるんだろうと思った期待通り、全く違ってそれぞれに魅力的なクレアを見ることができました。
最後、クレアが戻ってきたのは僕の演出でしたが、キャサリンと再会している姿を見て、胸が熱くなりました。
 
少ない人数で稽古場で顔をつき合わせながら、原書と訳書を見比べたりして、ああでもないこうでもないと紐解いていく作業は本当に楽しかった。
なんだか「訳」という作業の魅力にも目覚めた作品でした。
(機会があれば、ぜひ最初からやってみたい)
昼夜で稽古を分け、2チームと、文字通り朝から夜まで稽古していました。
本当によく食らいついてきてくれました。
普通は演出のオーダーは10のうち5つくらい通れば良いほうです。
彼らは10を超えて理解してくれようとしました。
僕のわがままに付き合ってくれた彼らに本当に感謝。
 
そして今回もおかげさまでほぼ満員御礼でした。
木戸銭、数多くのアンケート、皆様のお言葉が胸に沁みます。
WSメンバーも観に来てくれました。
作品、出演者、お客様、すべてのピースが揃って初めて完成するMAMの舞台。
今回も痛感致しました。
ああ、幸せだった・・・・
で、終わらないのが今回の連続企画。(笑)
我ながら地獄のスケジューリング。
これもまた、長くなるので、二つに分けます。
「海の上のピアニスト」はまた次回。
 
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