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平幹二朗という背中

平幹二朗さんが亡くなった。

昨日の夜、本当に衝撃で一瞬フリーズした。
 
一度だけご一緒させて頂いた舞台。
その演技の全てが僕の想像の想定外でした。
竜巻のようなエネルギーが1000人の観客を一瞬にして巻き込んで虜にしてしまう。
それを目の当たりにして、身体が震えた。
演技の奇跡というものがあるなら、まさにそれを体験した瞬間でした。
 
この不勉強な僕が、毎回自分の出番が終わった後、袖から平さんの演技を見ていました。
そんなことをしたのは、その時だけである。
「どうやったらあんなことができるんだろう・・・」
舞台の中で、同じようなことをやってみる、自分の芝居に置き換えてみる・・・
そして演出家に「増澤くん、気持ちはわかるけどダンプカーとカブくらい違う」とありがたいお言葉を頂きました。笑
あまりにわかりやすいぞ、俺。
 
身の程をわきまえず、平さんに聞いてみる。
「何であんなことができるんですか? 」
微笑みながら「特別なことはしてないけどね。時代劇だから多少大芝居ではあるけど・・・結局はハートだね」
「ハート」という言葉があんなにカッコよく聞こえたことはない。
それ以来、若い役者さんに「芝居に大切なことってなんでしょうね?」と聞かれると「まあ、結局はハートだね」と答えている。
ちっともカッコよく聞こえないけど。
あまりに簡単だぞ、俺。
 
きっといつまでも足元にも及ばないけど、多分一生背中を追い続けるんだろうな・・・
 
ご一緒させて頂いた時間は、僕の宝物です。
本当にありがとうございました。
どうか安らかに、平さん。

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「父と暮せば」東京公演、終幕

「父と暮せば」の東京公演が無事終了いたしました。

結果全ステージ売り切れ、大入り満員!

本当にありがたいことです。

千秋楽のラストステージ、客席の奥で舞台を見ながら、「やってよかった!」と心から思いました。
もちろん課題は札幌に向けていくつもあります。
松村の次へのステップに向けて(これは演出として勝手にテーマ付け)
剣持の飲んだら寝るな問題(これはしょうがないね、人のことは言えないし)
増澤のお前の前説何とかならんのか問題(これMAM札幌から未だに初日出てません。一番大問題)
そんなこんなを抱えながら、いよいよ札幌公演の準備に入ります。
そして今回の舞台、我々だけの力でできたわけではありません。

力を貸してくれた、本当に素晴らしいスタッフがいます。
照明の大場さん。
彼の発想力がなかったら、今回あの空間でこれだけのスケール感を出せなかったでしょう。本来あの劇場に持ち込む量をはるかに超えた機材を持ち込み、あの世界を作って頂きました。

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制作の間杉さん。
細やかなところまでお気遣い頂きました。
ふわっと稽古場にやってきて、ふわっと場に馴染んで仕事をなさる、そして時々男より男前な一面を見せる素敵な方です。
いつもペアを組んでいる廣田さんもお忙しい中、劇場に駆けつけてくれました。
 
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そして札幌公演の舞台監督、下澤さん。
「遊びに来ました〜」と言いながら仕込みからバラシまで全てお世話になりました。
自分の仕事道具を宅配便で全て劇場に送ってやってきたのです。
なんてことでしょう。
感謝してもし足りません。
 
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この有能な方々がふわっと現場にやってきて、ふわっと何でもないことのように素晴らしい仕事して下さいました。全然何でもなくないのに。
おかげさまで今回の公演をなんとか回すことができました。
 
心から感謝です。
 
そして音響オペをやってくれた實裕あかねちゃん、照明オペをやってくれた島村ひろみちゃん。そして舞台セットの小島とらさん。
お三方は剣持さんの劇団「だるま座」の方です。
だるま座の劇団員の方々はバラシにも片付けにきて下さいました。
劇場内も実にきちんと整理整頓されています。
劇団員の方がきちんとしている、本当に素晴らしい劇団です。
 
他にも前回に引き続き、衣装提供の有島さん。
題字を書いてくれた真理ちゃん。
素晴らしい曲を書き下ろしてくれた奥田女史。
 
本当に有難うございました。
 
そして、観に来て下さいましたお客様、本当に本当に、有難うございました!

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さあ、この勢いで札幌いくぜい!

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稽古後に飲むのが本当に好きなカンパニーだよ

東京は突然秋になったり夏に戻ったりと狂った10月になっています。(笑)

それでも夜のひんやりした感じは本格的な秋の到来が近いのでしょう。
そして、来週にはいよいよ「父と暮せば」の東京公演が迫ってまいりました。
大好きなメンバーと大好きな作品。
本当に幸せな日々を送っています。
 
今回、キャストはもとよりスタッフもこの作品のために自ら集結してくれた方々です。
照明の大場さんも制作の間杉さんも、前回の「父と暮せば」を観て、今回「是非やらせて欲しい」と手を上げて頂きました。音楽の奥田は「新しい曲を書き下ろす」と言ってくれて、素敵な曲が出来上がって来ました。
音響スタッフのあかねちゃんも「この芝居に参加できることが光栄です」と言ってくれました。
なんと札幌公演の舞台監督、下澤さんまでが「もちろん行きます!」東京に駆けつけてくれます。
作品が人を集めて、人を繋いでいます。
 
これは演劇の奇跡を感じる体験です。
 
この作品のために集まってくれた人々が作ってくれた作品が、つまらないはずはありません。
昨日おとったん剣持氏が言っていた言葉「全員天才」
一人の突出した力ではなく、全員の力が集まった時に天才的な何かが発揮される。
今回の才能の集結はまさにそれを感じさせます。
そんな本番まで、あと少し。
もう一歩、もう一段、奇跡の瞬間を目指して挑戦は続きます。
おかげさまで、追加公演も含めてほぼ完売になりました。
日曜昼12時と追加公演16時がまだ少しだけ残っているようです。
 
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