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平幹二朗という背中

平幹二朗さんが亡くなった。

昨日の夜、本当に衝撃で一瞬フリーズした。
 
一度だけご一緒させて頂いた舞台。
その演技の全てが僕の想像の想定外でした。
竜巻のようなエネルギーが1000人の観客を一瞬にして巻き込んで虜にしてしまう。
それを目の当たりにして、身体が震えた。
演技の奇跡というものがあるなら、まさにそれを体験した瞬間でした。
 
この不勉強な僕が、毎回自分の出番が終わった後、袖から平さんの演技を見ていました。
そんなことをしたのは、その時だけである。
「どうやったらあんなことができるんだろう・・・」
舞台の中で、同じようなことをやってみる、自分の芝居に置き換えてみる・・・
そして演出家に「増澤くん、気持ちはわかるけどダンプカーとカブくらい違う」とありがたいお言葉を頂きました。笑
あまりにわかりやすいぞ、俺。
 
身の程をわきまえず、平さんに聞いてみる。
「何であんなことができるんですか? 」
微笑みながら「特別なことはしてないけどね。時代劇だから多少大芝居ではあるけど・・・結局はハートだね」
「ハート」という言葉があんなにカッコよく聞こえたことはない。
それ以来、若い役者さんに「芝居に大切なことってなんでしょうね?」と聞かれると「まあ、結局はハートだね」と答えている。
ちっともカッコよく聞こえないけど。
あまりに簡単だぞ、俺。
 
きっといつまでも足元にも及ばないけど、多分一生背中を追い続けるんだろうな・・・
 
ご一緒させて頂いた時間は、僕の宝物です。
本当にありがとうございました。
どうか安らかに、平さん。

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コメント


平幹二朗さん……大きな大きな存在感がお有りで、この方が御出演なさるだけで、お芝居の内容そのものに重厚さが増すと申し上げても過言ではない、とても素晴らしい役者さんでいらしたと、素人の私ですら思っておりました。
独特の台詞回しと低音の渋いお声は、失礼ながら他のどんな役者さんの追随も許さない、平氏が最高に素敵でらしたと思います。

突然のご訃報に多くの方がショックを受けられたと思いますが、彼が遺された沢山の大切なものを、増澤さん始め素敵な役者さんに継承して頂きたいと、ファンの一人として切望しています。

投稿: 美紀 | 2016年10月26日 (水) 12時09分

東映時代劇の敵役や「三匹の侍」などで時代劇俳優のイメージがありましたが、活動の場を舞台に移すと舞台人そのものでした。

四年前、舞台「こんばんは父さん」を観ました。
三人だけのお芝居で人気のある他の俳優の中でも、存在感を存分に見せる演技で格好良かったです。

最近は朝のラジオ番組にも出演し、お元気な様子だったのでとても残念です。

ご冥福をお祈り致します。

投稿: 実家 | 2016年10月26日 (水) 14時27分

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