リタって言っても名前じゃないのよ(2020年の終わりに)
2020年が終わろうとしています。
ものっすごく久しぶりにブログを書きます。
なかなか、長文を書く気にならなかったので……
全世界がこんな見えない敵に攻撃されるなんて、一生のうちでもそうそうない体験。
歴史の教科書に載る出来事となりましたね。
コロナショックは、皆様同様、僕自身にとてもとても大きな影響がありました。
舞台も撮影も軒並み中止となり、エンターテイメント業界は翼がもがれたようになりました。何が正しいのか、どうするべきなのか……たくさん考え、答えの出ない模索を続けて、今年が終わろうとしています。
色んな事に制限が生まれて、自由に出歩いたりご飯を食べたりすることができなくなりました。
人と人との間には透明のビニールやら衝立やらが置かれ、皆何かを隔てなければ話もできなくなりました。外に出たらみんなマスクって、ちょっと異様な景色ですよね。でも、それにも徐々に慣れつつあります(人間の適応力ってスゴイ!)。
ただ、花粉症は人前でうっかりクシャミ一つできませんから、何かと不自由ですが。笑
もし、この出来事が何かしらの課題を突きつけているのだとしたら、それは一体何だろう……そんなことをずっと考えてきました。何か後世に……そんなに大袈裟じゃなくても今後の自分のために、何か学ぶものが。それがないと、これはただの不幸なパンデミックで終わってしまいます。
他の人々同様、僕自身もすごく心が不安定な状況に苛まれました(その不安定なポイントやタイミングは、人それぞれだと思いますが)。些細なことに感謝したり、傷ついたり……僕にとって、とてもタフな一年でした。自分の心が随分と強く勇ましくなったり、逆に柔らかい果物のように軽く擦れただけで深傷を負ったり、そんなバランスの悪い精神状態が続きました(ていうか、今も続いています)。
そんな一年の締めくくりに立って、この出来事のテーマは、自分が「利己的」に生きるのか「利他的」に生きるのかを突きつけられたのかな、ということにしました。
事が起きた今年の前半、僕らはより利他的な行動に動いたと思います。みんなのために何ができるか、社会のために何ができるか……みんな協力して互いに優しく振る舞ったように感じます。
ただ、それは時と共に破綻します。我慢はいつまでも続きません。やりたいことはやりたいし、楽しみたいことは楽しみたい。それはそうです。もちろん僕自身も。そうして、社会全体が少し利己的にずれて行ったように感じます。人が人に優しくなくなり、自分の苛立ちやストレスが刺々しい態度や言葉となって人に向かっていきます。そんな言葉がSNSに蔓延したりするのを感じます。なんだか嫌になって今年の後半は自分の「telephone」シリーズのお話以外はほとんどSNSをアップしなくなりました。何か書いたらネガティブな内容になるのが自分でもわかったから。
社会全体が利己的、排他的なムードが広がり、昨今の政権のリーダーやそれを取り巻く人たちの、なりふり構わず権力や利権にしがみつく、絶望的なまでの淺ましい姿。増え続ける感染者数を横目に見ながら、いけないと思いながらも我欲にブレーキがかからなくなる人々。「悪者」を作りがちになり、他者や他国の人を蔑んだ目で見る社会の流れ。
ウィルス以上に良くないものが、心に蔓延しつつあるのを感じます。それはとても静かに、抗えない力で人々の心を侵食するものです。
もちろん僕にそんな流れを食い止めるほど影響力があるわけでもなく、一人で悶々と考えるだけのですが。
むしろそれらに取り込まれてしまうくらい心の弱い人間です。
だからせめて、昨日より今日、今日より明日、少しだけ「利他的」な人間になろうと心がけることします。「ありがとう」とか「どうぞ」とか、笑顔とか、言葉一つ態度一つから、自分の作るものは「何のために作るのか」という創作原点の見直しまで。自分が少しだけ「利他的」になることで、この世界が少しだけ幸福になるよう祈って行動したいと。
長々となりましたが、今年の総括と来年の抱負(っていうか、自分への備忘録)を込めてブログを更新しました。
今年一年、お世話になった皆様、本当に有り難うございました。
良いお年をお迎えください。
年末年始はtelephone2の編集に明け暮れます。
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コメント
新年明けましておめでとうございます。
昨年のカレンダーを入れ替えながら、大変な一年で早かったと実感しています。コロナに振り回され、今まで通りの生活が出来ないお手上げ状態で今も厳しい状況が全国で続いています。
今年はどうなるのか、いつになったら元の生活に戻れるのか心配ですが、やっぱり元気でいたいです。
高齢者にとって「がまん」はストレスになるので利他的と利己的は柔軟に両方使っています。
動画配信の「雨」は良かったですよ。
男と女それぞれの心の探り合い、ラストの余韻がずっと残るような終わり方は外国映画のようでした。雨音の効果もいいですね。二人芝居や朗読劇でも実現出来ると思いました。
telephoneは「パンツ」がコメディータッチで面白く好きです。後藤紗亜弥さんは少しずつ変化していく表情が魅力ですね。telephone2も大変楽しみにしています。増澤さんも出演するんですよね。
今年は皆さんにとって良いことがたくさんありますように願っています。
投稿: 実家 | 2021年1月 1日 (金) 11時37分